【分割版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る(中編①)
※多くの方から「内容は良いのにコラムの文量が長すぎて勿体ない」との有難いお言葉を多く頂きましたので、以前公開した「DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る」をより分割したバージョンでお届けします!
少しずつ読みたい方はぜひこちらをご覧ください!!
↓前回分はこちら!
【分割版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深堀る(前編②) | DEKOboko(デコボコ) (co-learningpark.com)
内容は変わらないので、長くても一気に読みたいという方は以前投稿したものをお読みください!
→【一気読み版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る(中編) | DEKOboko(デコボコ) (co-learningpark.com)
こんにちは。デコボコスタッフの吉田です。
最近めっぽう寒くなりましたね…床暖を所望します。
本日は大好評企画、「DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る」の中編をお届けします。
今回は、熊谷代表がご自身の経験を通して、何を考え、大切にしてきたのか、
そして広く現代の「教育」について思うところを、たっぷりと語っていただきました。
前置きはさておき、早速本編に参りましょう!
問題意識とそのきっかけ
吉:先ほどはありがとうございました。ここからは塾や会社のこと、また広く教育について考えられていることを伺えたらと思います。
熊:こちらこそありがとうございました!お願いします!
吉:早速ですが、先ほど自己紹介の中で教育の問題にも触れてきたと仰っていましたが、具体的にはどんな問題だったのでしょうか?
熊:今はやってるのかちょっと分からないんですけど、昔、市が無料塾のようなものをやっていて。そこで偶然お声がけ頂いて講師としてお世話になってた時期がありました。
授業料はタダで、全て市やその他団体の助成金によって成り立ってたような覚えがあります。それで対象になっているのは基本的に所得の少ない家庭の子ども達でした。
吉:そういう取り組みがあるんですね。
熊:そうなんです。それで実際そこで教え始めたんですけど、聞いた話も含めて身体に青あざつくってたりすることもあって。当然それに気づいたら通報の義務があるじゃないですか?そうすると勉強どころじゃなくなりますよね。まずは勉強より先に生育環境そのものの改善がって話になるわけです。他にも発達障がいの診断を受けている子も多くいて、じっと座り続けるのが難しいとか。子ども同士で喧嘩になることもありました。
吉:それは壮絶ですね…。
熊:でしたね。なんか当時、勉強って嫌々ながらも普通にするものだし、普通にできるものだと思ってた自分としては、勉強ができるようになるまでに実はたくさんのハードルがあったんだって気づかされて。
吉:うんうん。
熊:これまでぼやっと思っていた教育が、実は自分の置かれてる環境だったり、個々人の発達の話だったり、家族や友人との関係だったり、色んな経験や体験の基に成り立ってるんだなっていうのを肌感覚のレベルで初めて感じて。しかもレイヤーを変えていったら、経済とか社会システムとか国際情勢みたいな、よりマクロな事柄との関係も当然考える必要がありますよね。少なくとも現場レベルのミクロな話だけでも相当複雑にたくさんの要因が組み合わさって、「教育」という現象が築かれてるんだなと思いました。
だから自分たちに何ができるんだろうみたいな問題意識はそこで大分強まりましたね。
吉:なるほど…。現場での肌感覚から多くのことを考えてこられたんですね。自分も教育実習の経験から考えることは多かったです。
熊:お、どういうことですか?それは詳しく聴きたい!
吉:今回は熊ちゃんの回なのでまた機会があれば…
熊:でました(笑)。じゃあその機会必ずつくるからね!次回は吉田さんに根掘り葉掘りインタビューします!
吉:……。
熊:……?
現代の教育に対する問題意識
吉:それで熊谷さんは、そういったご経験を通して実感した、広く現代の教育に対する具体的な懸念点や問題意識はあったりしますか?
熊:あ、何事もなかったように戻るのね(笑)。
そうですね、いくつかある気がします。教育も色々あると思うので今回は学校教育に絞って考えますね。今パッと思いつくのは大きくは3つですかね。
自分的に思うのは「内外のバランス」と「評価について」と「コミュニケーションのあり方」で気になる事がありますかね。
どれも個人的な関心が「成長」とか「人間関係」とかなので、その観点から考えてます。
① 内外のバランス
吉:その辺りのお話気になります。詳しくお願いします。
熊:分かりました。まず「内外のバランス」なんですけど、端的に言うと自分自身に対する理解と自分の外側の世界に関する理解のバランスが悪いのでは?と思っています。
吉:それはどういうことでしょう?
熊:この事を分かりやすく説明するためにちょっとだけ遠回りしますね(笑)。
まずは自分のスタンスとして、社会構成主義っていう考え方があるんですけど、ざっくり言うと「問題とか価値ってみんながそう思ってるから生まれるよね」っていうスタンスです。世間虚仮とも近いですかね。自分も大方この考え方に賛同していて。
「事実」と「価値」 -貧乏と貧困の違い-
例えば、貧困問題ってあるじゃないですか?でもこの問題って実際に子ども食堂での経験から思ったんですけど、貧困について考えるなら貧乏と対比して捉える視点もあって良いのではと思いまして。というのも両者は似てるものの全然性質が違うんじゃないかなと感じたからです。
吉:程度の違いとか、そういうイメージはありますが、どう違うのでしょう?
熊:何がどう違うのかと言うと、貧乏はある種、事実というか、ただそういう状態を指しているだけなのかもしれないなと思ったんです。お金がなくて、物がなくて、食糧がなくてみたいな。もちろん一般的な常識だと困るし本当に大変です。
一方貧困はというと、貧乏に対する捉え方とか解釈から生まれる事実なのかなと。
吉:なるほど。
熊:色々な方々と接してきて思ったのは、例えば同じくらいの世帯年収、同じくらいの困窮度合いでも反応が違かったりするんですよね。極端な言い方になってしまって大変恐縮ではあるんですけど、例えば、大変だけど楽しいって方と、大変でもうどうにもならないって方とみたいな。
どちらもお話を伺うと少なくとも客観的と言われるような数字とかデータとかで比べるとほぼ有意な差がない場合でも、解釈次第で感じ方が違うみたいな。で、この解釈はある種のその人の価値観の違いで現れてる部分が大きいなと。
極端な話、お金はあるに越したことはないけどそれがすべてじゃないと考えている方と、お金がないと何もできないと思っている方だと結論が違うみたいな。
吉:うんうん。
熊:もちろんどっちの考えも基本的には尊重されるべきだと思うのでそこの良し悪しや、そもそも数字が低いことなど社会的に改善すべきことが多々あるよね、といった議論は今回は一旦脇に置かせてもらいますね。
要するに、貧しくて乏しいという事実ベースの状態が貧乏で、貧しくて困っているという心の状態まで含むと貧困なんじゃないかなと。
吉:その定義は興味深いですね。
熊:実際は貧困問題をここまでシンプルに区別して定義するのは難しいとは思うんですけど、現象を理解する一つのツールとしては、事実から生まれる状態と、解釈など何かしらの価値が含まれることで生まれる状態の2つに分けて考えることができるのかなと思っています。心理の世界でも、まさに同じ理由で困難と問題は違うっていう表現もありますね。
さらに個人が感じたある問題に対して、貧困問題のような社会問題では、周囲の人間がどの程度それについて共感できるかも大事ですよね。理由は千差万別であれ、多くの人が関心を示せば社会問題として扱わるわけですよね。
吉:ふむ。
熊:長々と申し訳ないんですけどもう一つだけ似たような例を挙げても良いですかね?
吉:はい、お願いします。
~中編②へ続く~
↓中編②はこちら!
【分割版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る(中編②) | DEKOboko(デコボコ) (co-learningpark.com)
前編①
【分割版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深掘る(前編①) | DEKOboko(デコボコ) (co-learningpark.com)
前編②
【分割版】DEKOboko代表、熊谷歩真を深堀る(前編②) | DEKOboko(デコボコ) (co-learningpark.com)
Co-learning park DEKObokoは、「勉強面も生活面も両方大切に」をモットーにした、中高生~社会人に「学び」の場を提供する次世代型の学習塾です。
中高生を対象とした授業の提供のみならず、「不登校」生のための場の提供、浪人生・大学生・社会人の方に向けた「自習室」の提供、保護者の方に向けた教育相談支援・カウンセリングの提供を行います。
一人ひとりの成長を後押しできるような「居場所」や「体験」を提供したいと思っております。
是非お気軽にお問い合わせください。
アクセス:西武新宿線「新所沢駅」東口より徒歩0分。
HP:学習塾 Co-learning park DEKOboko (コルパ・デコボコ) ― 新所沢
Instagram:学習塾 Co-learning park DEKOboko(@colpa1212) • Instagram写真と動画
Twitter:Co-learning park DEKOboko@12/12オープン!!(@colpa1212)さん / Twitter