選書紹介『正義の教室』/ 飲茶
本日のでこぼこ選書は「正義の教室」です。
正義という名をしたケンカ
正義ってムズカシイ・・・。
みなさんはこれまでの人生で誰かとケンカしたことはあるでしょうか?
ケンカの理由というのを個別具体的に見てみると、様々な事情があるとは思うのですが、
心理的な側面からケンカの原因を考えてみると大抵は、
「自分の思い通りにならないから」
ということが大きいのではないでしょうか?
そしてこの「自分の思い通りにならない」というのは、
「相手への甘え」という理由を除くと多くの場合、
自分の考えは「正しい」はずなのにどうして?
といったある種の個々人の「当たり前」や「価値観」から、
生まれてくることが結構多いのではないでしょうか。
そして仮に、自分にとっての「常識」や「信念」(ここでは自分なりの「正義」としておきます)とは異なることが起こると、場合によってはちょっと感情的になって怒ってしまう(時にグリグリと押し付けてしまう)ということがあるような気がしてます。
そしてこの時、その人の正義をぶつけられた相手も同じように自分の正義をぶつけると(つまり、同じ土俵に立つようなことになると)・・・そうです。
ついに言い争いや暴力などの「ケンカ」の幕開け、となるのです・・・多分(笑)。
この間目撃したケンカ
例えば、あるお母さんが「勉強はすべき・した方が良いものだ(正義①)」と強く信じている場合で、
かつそのお母さんに反して、その子どもはあまり勉強をしない、というような状況を想像してみるとします。
もしかしたらこのお母さんは、いつの日かどこかのタイミングで子どもに感情的にぶつかってしまう日が来るかもしれません。
そしてもしもその子どももそれに対して「押し付けてくるな!」「うるさい!」みたいに、反抗したり?抵抗したり?自分の自由を守るために(正義②)、言い争いを始めるとしましょう(=両者同じ土俵に立つ)。
すると傍からみると、まさに親子喧嘩が始まったように見えるでしょう。
好みはあるかと思いますがケンカをするとお互いあの何とも言えない後味の悪さ、ありますよね・・・。
で、なんでこんな話をするかというと、
実はこの間、あるショッピングモールにお出掛けした時に、まさにこんな感じの?言い争いをしているご家庭?がおられたからです。
「あなたはどうして勉強しないの!遊んでばっかりで!もう我慢の限界よ!」とお母さんらしき人。
「うるさい!こんな所で騒ぐな!そんなに勉強が好きならお前がすれば良いだろ」と息子さんらしき人。
えっ!?
きっとそのご家族の歴史?の中で何かしらあったんだろうなとは思ったのですが、
「なぜにこんな所で勉強のお話を大声でされてるの!?」
と若干よぎったりよぎらなかったり・・・。
妄想と謎の結論
で。ここでもしも周囲にいるうちの誰かが、
「こんな所で騒ぐんじゃねぇ馬鹿野郎!!迷惑だ!(正義③)」みたいな人が登場し、
さらにあのお母さんが「何も知らないくせに部外者が入ってこないで!(正義?④)」なんてことになれば、
さらにエスカレートしますよね(もしそんなことをお母さんが言い返したら、きっと常識を疑われて、多分この社会では糾弾されてしまうのかもしれませんが(汗)(社会常識という正義⑤)
(こんなセカイはイヤだな・・・(正義⑥))。
まぁ実際、あの時は周囲からそういうツッコミは無かったのである意味平和でしたが、きっと何人かはこんな所で身内ネタをおっぱじめないでくれよ、と思った人もいたかもしれません(笑)
とまぁ正義みたいなものの正当性を判断するには、その時の状況や色々な立場からの視点、考え方を検討した上で判断する必要はありますね(正義⑦)。あとは、「言い方」。
同じ内容でも「言い方」次第で聞く耳を持ってもらえたりもらえなかったりするので、
特に正しそうなことを言う時は、言い方は大事なのかもしれません(正義⑧)。
でもどんな「言い方」であっても、それに影響を受けずに、まずは「内容」にしっかり耳を傾けられるようなそんな人間になりたいなと個人的には思います(正義⑨)。
日常に転がる正義と正義の殴り合い・・・本書について
と話が逸れましたが、日常を見渡しても、「本当は自分が悪いと分かりながらも敢えてこうすべきだ!こうなるべきなんだ!こうしたい!」みたいな甘えを除いて、争いの起こる所では大抵、
自分たちの「正義」(その人が本気で常識だと思ったり、当たり前だと思ったり、こうあるべきだと思うような事柄)がぶつかり合っているような気がするのです。
もちろんその正義は、一定の条件においては正しい場合も多々あるでしょう。
しかし普遍的にどんな状況でも必ず通用するような正義というものは果たしてソンザイするのでしょうか。
ここがちょっと謎で疑問な私なのですが、
少なくとも日常的に誰かとコミュニケーションをとる際でも、何となくでも必ずそれぞれの正義(価値観)が触れ合う瞬間というものはありそうなもので、
とても身近なこの「正義」というテーマについて、歴史上の偉人たちは考え抜いてきてくれていて、
本書はその「正義」に関する考えをとても分かりやすく物語テイストで紹介してくれています。
しかもなんと長い歴史を見渡しても「正義」に関する立場は大きく3つに分類できるんだとか!
それって凄い!
「正義」に関する各々の立場の「長所」と「短所」が、高校の生徒会に属するメンバーがある授業をきっかけに、それぞれの日常の関わり合いの中で分かりやすく描かれています。
最近、寝不足で疲れ気味で、老け気味な私なので本書の中で述べられている事柄を本来であればいくつか抜粋するのですが今回は控えたいと思います(笑)。
横たわる『正義の教室』くん
この本はかなり面白い!
でも例えば、
「自分の愛すべき人を守る代わりに誰かを犠牲にすることは正しいかどうか?」
「ある製品や商品を買い占めて転売にかけることは正しいかどうか?」
「意見が割れた際に自分の意見を押さえたり、ゴリ押したりすることは正しいかどうか?」
といった、正義に関するそれぞれの立場の良い所や悪い所をきちんと明示しながら向き合い、そして自分なりの意見や答えを出すことができるでしょうか。
もしも出来ない、そして出来た方が良いと思っている方は、この物語の顛末を見守りながら、本書で「正義とは何か」ということについて学んでみるのも良いのではないでしょうか。
だって普通に読み物としてもかなりオモシロイのです。
ちなみに私は「正しさ」や「正義」という観点だけでなく、「どの程度それがためになるのか?」というプラグマティズムっぽいスタンスも大事なのではないかと考えている人間です、という要らない告白をして、本コラムを終えたいと思います(笑)。
最近帰路の途中、夜空を見上げて感動しやすくなっているのですが、年をとって成長したからなのか、心が疲れているからなのか、その両方なのか分からない元気いっぱいの熊谷でした。
「寝れるときは寝る!」
これは絶対正義!!!であってほしい(笑)
紹介者:熊谷
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