選書紹介『英文法、ネイティブが教えるとこうなります』/ デイビッド・セイン・森田修
本日のでこぼこ選書は、
『英文法、ネイティブが教えるとこうなります』/ デイビッド・セイン・森田修
です。
熊谷、英文法について考える
本書は私が英語を生徒達に教えることになった後、自分がこれまで教えたり勉強したりしていて「なんで?」と思った内容を調べていくなかで出会った一冊です。
私は塾の講師として英語を教えることが多いのですが、英語の授業でまず初めに進めていくのが「英文法」です。
きっとこの言葉を聞くだけで蕁麻疹とか出ちゃう方もいるかもしれませんが、ネイティブのセイン先生がどんな感覚で英語を扱っているのか、またネイティブの視点だとどう英語を学べるのかという観点がとても面白いです。
ただ英文法アレルギーのある方の気持ちも分かります。だってやる意味がよく分からないですし、ただ淡々とやっていくと無味乾燥な感じで超つまらない、試験のためだけの勉強にならざるを得ないのが現実ですもんね(笑)。
例えば不定詞はto+動詞の原形で・・・名詞的用法とかあってみたいな。。。
確かに、上記の基本的な知識を身につけることは大事ですが、一方で、本来英文法を勉強する理由は英語を使えるようになるため、もっと言うと①コミュニケーションの道具として使えるようになるため、②英文法の理屈を知ることで異文化体験をするため、だと私は考えています。
とするなら、ただ機械的に英文法をやり続けても、いったい実際のコミュニケーションの中でどう使われているのか、そして英文法を通して普段自分たちが当たり前だと思っていることと英語の世界とではどう違うのか、といったことが見えないままになって勿体ない気もするのです。
どうせやるなら各文法事項が頭の中でしっかり整理され、かつコミュニケーションの中での役割や日本語との相違点の有無といった観点からも勉強できた方が、同じ勉強をするにしてもまだマシなのではないか?、という完全に個人的な想いを抱いている所に、本書と邂逅しました。
本書が教えてくれるのはただの英文法だけでなく、コミュニケーションで使えるいわゆる「ニュアンス」的な側面と英語的な考え方です。
読んでいてなかなか面白いのと、「なるほど!そういうことか!」という納得感もあり、英文法の学習が無機質なものからより色彩を帯びた形で取り組めるようになるのではと思います。
今回は本書に掲載されているトピックの中から「冠詞」について1つ取り上げて、私なりにご紹介してみたいと思います!
冠詞(aとtheの違い)について
Q. 正しい英文はどっち?
A. Do you know how to get to a station?
B. Do you know how to get to the station?
引用:『英文法、ネイティブが教えるとこうなります』、デイビット・セイン、2011, p.16-p21.
英文法を教えていて、ある程度生徒達もできるようになってくると、必ずと言っても良いほど、この「冠詞」に躓いたり疑問に思ったりします。
そもそもこの「冠詞」がなかなか厄介で、世の中には丸々一冊「冠詞」だけに特化した超難しい専門書もあるくらい奥が深いものです・・・。
なので、とてもじゃないですが冠詞を全て理解するのはほとんどの人にとって難しいと思います。
ただ実際問題としてこの冠詞を考えてみると、受験レベルや日常会話レベルでの冠詞は、そこまで高度なものは要求されないので、そんなに気合を入れてやる必要もありません。
とは言え、この冠詞の理解があるかないかでは文章全体が持つ意味を大きく取り違えてしまう可能性もあるので、ある程度英語ができるようになると避けては通れない文法事項です。
※ちなみに、冠詞の後ろには必ず名詞が来ます。
ということで前置きが長くなりましたが、先に上記の答えを言うと、この場合はBが正解になります。セイン先生曰く、「the」というのは「その」という訳語が与えられているように、「何を指しているのかが明確である」という合図として用いられます。ここでは、「その駅」という訳になるので、話している人同士が、どの駅なのかを明確に理解し合えてるはずだと話者が思えている時、つまり「共通認識」を持っている時に使います。
一方の「a」というと、元々は「数ある中の1つ」というちょっと曖昧な感覚が含まれます。
ここではa station なので、世の中には色々な駅があるけど、その中でも何でもいいからどっか1つの駅というニュアンスがでてきます。
それぞれの訳語を改めてみてみると、
- どの駅でもいいのですが、とにかく駅というものにはどうやって行ったらいいですか?
- (例のあの)駅へはどうやって行けばいいですか?
こうしてみると意味が大分違いますし、普通に会話してるならBが正解になりますよね。
Aの意味で言ってたら、どんなシチュエーションになるんやら(笑)。
冠詞1つでニュアンスが全然変わってしまうので最初は難しいかもしれませんし、上記以外でも様々な使い方もあるので、英語好きの人やニュアンスも知りながら楽しく英語学習を進めたい方はぜひ手に取ってみてください!!
では私から最後に入試でも頻出な冠詞に関する別の問題です!(笑)
今回は冠詞の有無で意味が変わってしまう問題です。
Q. どちらが正しい英文でしょうか?
- I ate a(the) chicken yesterday.
- I ate chicken yesterday.
どっちかの答えは実はちょっとヤバい意味になってしまいます(笑)。
答えは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Bです!
ということでAを選んだあなたはちょっとヤバい人扱いされてしまうかもしれません(;’∀’)
「なんで?」「どうニュアンスが違うの?」
と気になる方はぜひ冠詞についてググってみるか、当塾に来て直接質問してみてください!!(笑)
英文法は奥深い・・・。
では! 本日も読んでくださりありがとうございます!
紹介者:熊谷
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