選書紹介『成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~』
今日のデコボコ選書は,『成功する音楽家の新習慣~練習・本番・身体の戦略的ガイド~』です。
実は最近ピアノを弾く熊谷, ギターを弾く吉田に影響を受けて, 私も「ベース」という楽器を始めました。しかし, 今まで音楽については「聞く」くらいしか触れてこなかったので, どうやって楽器を練習していくのかが全く分からない。
そこで何か指南書のようなものが欲しいと探したところ本書に出会いました。
はじめて読むジャンルの本なので楽しみです。
一生使える音楽家の教科書
本書の構成は大きく分けると主に3つで,
① 練習の仕方
② 本番での演奏やふるまいについて
③ 健康管理について
私の場合は本番とかは特にないので, ②は読まずにとりあえず①と③を読みました。
個人的には「健康管理」について詳しく記載されている点が好きです。
音楽を続けていくにはどういった生活を心がければいいのかといった姿勢の部分が書かれているのは珍しいですし, 著者の丁寧さが伝わってきますね。
またこの本は著者の経験のみならず様々な分野の最新の研究なども参照しており非常に信頼性の高いものになっています。
これから音楽を始める人はもちろんプロの音楽家にとっても有益な本であると言えます。
練習上手になるには
著者は練習するときには, ①新曲の練習, ②完成度を高める曲の練習, ③発表するための曲の練習, ④テクニックを磨く, ⑤音楽的能力を高めるの5つの領域をバランスよく練習することが大切であると説き, それぞれについて詳しく述べています。
かなり丁寧な記述がなされているのでこれらを全部記載していくと膨大な文字量になりそうなので, 私は特に「反復練習」について焦点を当てて記載しようと思います。
「反復練習」に着目した理由はベースという楽器の性質上, メロディーを弾くというよりは同じフレーズを繰り返すことが多いからです。
あとこれは実際にベースを練習して気づいたことなのですが, 反復練習している時に「本当にこれでうまくなっていくのか」「ただ繰り返すだけでいいのか」「どこに気をつければいいのか」といった疑問が湧き出てきたからというのもあります。
では, 早速反復練習について紹介していきましょう。
反復練習とは何か、その目的 、気をつけること
反復練習とは繰り返し練習することです。
一番大事だと思いつつも退屈でなかなかやる気が起きないタイプの練習ですね。笑
この多くの人がめんどくさいと思っている反復練習の目的は, 「余分な力を抜いて演奏する習慣を身につけ、本番で安定した芸術的な演奏ができるようにすること」です。
著者は反復練習するときには7つの「卓越性の習慣」を大切にするとよいと述べています。その7つの習慣は以下。
① 脱力→できる限り余分な力を使わず動かせているだろうか。
② 表現力→例えば音の強弱はしっかりとあるだろうか、それともあまり差がないだろうか。自分の演奏を録音して聞いてみる
③ 正確さ→流れるような演奏ができているだろうか。途中で止まってないか。タイミングやイントネーションは正確か。
④ 躍動するリズム→音の強調などを取り入れながら、単なる正確さを越えたリズムと拍子を生み出せているだろうか。
⑤ 美しい音→厚みのある豊かな音を出せているだろうか。ベースであれば弦の押さえ方を思考錯誤してみる。
⑥ 集中力→短い時間でも集中する。集中が途切れたら少し休憩も入れる。
⑦ 前向きな姿勢→困難にぶつかったら自分の欠点としてではなく学習の機会としてとらえる姿勢を持つ(ちなみに当塾も同じ方針です。)
この7つは著者が非常に重視視しているらしく、章を読み進めていくと、ことあるごとに出てきます(繰り返しが大切だと繰り返し出てきます。笑)。学校だったら確実にテストに出てくる所ですね。笑
読者のみなさんは楽器でなくとも何かの反復練習をするときどうしていますか?
しっかりと考えながら反復練習している人もいると思いますが、テキトーにやってしまっている人・そもそも退屈で反復練習をサボっている人も多いのではないでしょうか?
そうしたときにこういった指標みたいなものがあると格段に練習の質が上がってくると思います。
みなさんがもし何か音楽を始めることになったら、これら7つを意識して練習してみるのもいいかもしれません。
今日のコラムでは反復練習の注意点のみ書きましたが、本書には他にも様々な角度から練習について触れられている本です。もし興味があれば是非読んでみてください。
同じことを繰り返す
反復練習について考えているときにふとブルース・リーのセリフを思い出しました。
ブルース・リーは俳優ですが武道家でもありカンフー映画で見たことがある人も多いと思います。
一番有名なセリフは「Don't think feel!(考えるな感じろ!)」ですよね。
これとは別に様々な名言を残していますが特に印象的なのが、
「わたしは1万種類の蹴りを一度ずつ練習した男は怖くないが、1つの蹴りを1万回練習した男は恐ろしい。」
ブルース・リーもきっと同じことを繰り返し練習する大切さを感じていたのではないでしょうか。
本書の著者も「音楽家の人生においては繰り返しはつきものだ」と語っています。
よく考えてみれば、武道家や音楽家でなくても私たちは人生において色んなことを繰り返し行っていると思います。
毎朝起きて、仕事(学校)に行く、帰ってきて寝る、基本的にはこの生活のループになります。
もはや繰り返しに囚われていると言ってもいいかもしれません(私も3週に1度のコラムの執筆に囚われています)。
この繰り返しの世界のなかで何かを向上させようとしたら、繰り返しするときに何を意識するかが大切になってきます。
みなさんも普段の生活で繰り返して行っていることがあれば、ただやるのではなく何かを工夫してやってみてはどうでしょうか?
紹介者:尾崎
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